会計・税務

SE会計士のブログ




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2007年03月02日(Fri)▲ページの先頭へ
確定申告の用紙
 いま、確定申告の時期なので、毎日確定申告書の用紙とにらめっこしています。

ところで、この確定申告書の用紙
毎年同じような、用紙に見えますが、毎年少し違っています。
(毎年使えるものなら、便利だし紙も無駄にならないのですが、、、税制というのは、その時々の政策で毎年変わっていきますから、しょうがありません。)

たとえば、
去年の確定申告書と今年の確定申告書は、一行だけズレています。

どこが、違っているのでしょうか?

18年分確定申告書
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/youshiki/pdf/01.pdf

17年分確定申告書
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/youshiki/pdf/02.pdf



2007年02月28日(Wed)▲ページの先頭へ
確定申告で迷うポイント(初心者編)
 最近、多くの確定申告の相談を受けていますが、迷われるポイントというのは、大抵決まっています。
商売をやられている方の申告や、不動産がらみの申告のような複雑な申告は、確かに難しいと思いますが、年金所得の申告、給与所得者の医療費還付のような簡単なものでは、前年の申告書と手引きを見れば、ほとんどの部分は、思い出しながらかけるのではないかと思います。迷われるポイントは、ほんの数箇所しかありません。

1、生年月日の書き方
まず、筆が止まるのが生年月日のところです。
口.口口.口口.口口とかいてあるので
「S.18.07.02と書けば良いのか」と思いますが、実は最初の年号は数字で書くようになっています。
平成が4、昭和が3、大正で2表記し、3.18.07.02と書きます。

2、医療費控除の書類のまとめ方
医療費の領収書をまとめるとき、まず「いつ、だれが、どこの病院で、いくら払ったか」のリストをつくっていく必要があります。ところが、税務署でわたされる明細書(領収書をいれる封筒)には、ほんの数行しかないので、「いっぱいある医療費をどうやってかいたらいいの?」と迷ってしまいがちです。

 そうした場合は、いろいろ書き方があるようですが、別の紙(もしくはパソコンの表計算ソフトなど)で明細書をつくって、領収書と一緒に封筒に入れておき。封筒のおもてに「別紙有り」と記載して、下の計算の部分だけ書いておくことをお勧めしています。


3、添付すべき書類はどれで、それをどこに貼っておくのか
 第二表の裏(申告用紙の一枚目をひっくり返すと、源泉徴収表などはココに貼ってくださいと書いてあります)

4、私的年金がある場合
公的年金とおなじく雑所得になります。収入の部では雑のその他の部分に書いておき、所得の部には、公的年金の所得(計算式で算出できます)と私的年金の所得(収入マイナス費用 保険会社が収入はいくら、費用はいくらか通知をしてくれているはずです)を合算した値を雑所得として書いておきます。

※雑所得の場合、収入が2行 所得が1行となっているので、どう書けばよいのか、迷ってしまいます。

5、保険の満期返戻金などの一時所得がある場合
一時所得がある場合、収入の部の一時所得に受け取った額を
所得の部には、(収入金額−費用−特別控除50万円)×50%の金額を書いておきます(保険会社が収入と費用を通知してくれているはずです)。

※特別控除50万円を50%乗ずる前で引くのか、あとで引くのかを迷ってしまいます。

http://www.nta.go.jp/category/kakutei/tebiki/h18/b/



2007年02月18日(Sun)▲ページの先頭へ
ラジオに出ました
 先日、ラジオ放送 (「さてはトコトン菊水丸」 MSB)に出演させていただきました。
 私の出番では、今年の確定申告について簡単な説明をするだけなのですが、スタジオに入る前は、ちょっと緊張しました(生放送ですので、つまったり、とちったりしたらどうしようかと、、、)。

 CM放送中にスタジオに入ったのですが、菊水丸さんをはじめ、出演者の方々に軽い雑談で緊張をほぐしていただいたので、割とスムーズにお話しすることができました。。。

http://www.mbs1179.com/kiku/


2007年02月14日(Wed)▲ページの先頭へ
手書の申告書
 たまに、よその税理士さんのつくった決算書を見ることがあります。
ほとんどは、コンピュータによる申告書システムから打ち出したもので、様式も法律で決まっているので、外見上大きな違いはありません。※

 ところが、時に、手書きで書かれた申告書・決算書を見ることがあり、そのときは逆にびっくりしてしまいます。「この先生は、いつも手書きで書いてらっしゃるのだろうか? 手書きにすると、合計や計算する部分もいちいち電卓を置かないといけないし、不一致がでたとき、どこに原因があるか突き止めるのが大変じゃないのかなあ??」と思ってしまいます。

 いちばんすごかったのは、申告書・決算書だけでなく、仕訳帳や元帳まですべて手書きで書かれてあって、、、しかも小さな個人事業だけではなく、立派な中堅企業まで顧問先すべて手書きになっていて、、、その作業量を考えると想像を絶します。

ところが、実際にその先生にお話を聞いて見ると、「コンピュータは良くわからないし、手書きの方が慣れているので、安心だしね!」とおっしゃられます。。。
確かに昔はコレが当たり前だったので、特に驚くことではないのかもしれませんが、習熟した人間の能力の高さには驚かされてしまいます。


※使っているシステムによって申告書・決算書のちょっとした文字フォントの違いや線の太さが少し違うので、「なるほど、この先生はこの会計システムのユーザーなのか」「この先生は、ココのシステム使ってるんだ」ということが慣れてくると分かってきます。もっとも分かったからといって何のメリットもありませんが、、、、


2007年02月07日(Wed)▲ページの先頭へ
やっぱり気になる隣のお店
 税理士をやっていて、ほとんど顧問先の経営者に聞かれる質問があります。
それは、その顧問先の事業経営について、いろいろとお話した後、「よそと比べて、うちの会社は、どうなんでしょうねえ?」とか「よその会社は、どうなんでしょうか?」という質問です。

もちろん、同業他社の経営数字を知っていることも有りますが、守秘義務があるので、お話しすることはできません。また、調べれば事業種別ごとの経営指標など公開されているものもありますが、同じ事業といっても専業のケースと兼業のケース、自己所有の物件で営業するケースと商業地のテナントを借りているケースなど個々の事情によって経営指標は大きくブレますので、あくまで参考値にすぎません。

結局のところ、公開された経営指標をベースに、その企業の個別事情※を考慮しながら調整し、過去の経験や知識を加味しながら「こちらの会社は、この部分が少し弱いのではないでしょうか!」とか「この部分が、強みなので、これを生かすようにされたら、、、」とアドバイスすることになります。

※その会社の個別事情を知るためには、数字の後ろの動きを知ることが大切です。メーカーだと工場の製造現場、倉庫、事務系なら事務処理方法、営業現場でなにか起こっているのか知ることが大切です。


2007年02月01日(Thu)▲ページの先頭へ
人前で話すということ
 確定申告が近づくと、税金セミナーの講師をやる機会が多くなってきます。
先日も、地元で「消費税研修会」の講師を務めましたし、1月には別のところで「確定申告説明会」の講師も行いました。
 また、テレビかラジオのいずれかに出ることになるかもしれません。

 とはいえ、人前で話すことはあまり慣れていないので、話し始めるまでは、ドキドキしてるのですが、話しだしたら、まあ、なんとかなるもので、、、、

ただ、「もっと、上手く、話せれば、良いのに」と思うのですが、変なコト話して、スベッテも何なので、無難にこなすことで、とりあえず「良し」としています。

ところが、話上手な人もいるもので、そうした人の講演などを聞くと、面白く、飽きさせず、それでいて、シッカリ伝えたいことが伝わっていて、「たいしたもんだ」と感心してしまいます。
 私の以前勤めていた事務所の所長も、そのタイプの人で、とても話し上手でした。困ったときは所長に振れば何とかしてくれるので、仕事の面でも何度も助けてもらいました。
 一度「どうしたら、そんなに上手に話せるのですか?」と聞いたことがあるのですが、「正式のトレーニングを受けること」との答えが返ってきました。

どうも話し上手もゴルフと一緒のようで、自己流トークでは、限界があるようです。




2007年01月29日(Mon)▲ページの先頭へ
帳合之法
 先日、福沢諭吉の翻訳した日本の最初の欧米式簿記教科書「帳合之法」が新たに発見されたようです。

発見された方は、どうもインターネットの古書販売で見つけられたようで、、、、

この本は、アメリカの簿記教科書(Bryant & Stratton's Common School Book-keeping)を翻訳したもので、日本の産業発展に不可欠な会計というものを導入した本です(復刻版は、ありますが、本物は激レアものの貴重本です)。

特にわれわれが普段使っている会計用語(たとえば「勘定」とか)は、このとき初めて翻訳されて生まれたものです。

この本の最初には

「古来日本国中において、学者は必ず貧乏なり、金持ちは必ず無学なり・・・」

て書いてあるそうです。。。なるほど、、、

http://www.nouzeikyokai.or.jp/yomimono/taxview/0201.html



2007年01月22日(Mon)▲ページの先頭へ
最近役所から送られてくる税金関係の説明、混乱しないかなあ?
 先週ぐらいから、確定申告書の送付が始まったようです。
「確定申告書送られてきましたので、今年もよろしくおねがいしますね!」といった連絡もぼちぼち入っています。

今年(平成18年分)の所得税確定申告では、大きく変った点は、定率減税が半分の10%になったこと(上限12万5千円)で、他はそんなに変っていません。従来どおりやっていただければ、結構なのですが、、、ちょっと気になっていることがあります。

それは、いろんな役所から送ってくる税金関係の変更についての追加のお知らせです。

ひとつが電子申告の勧奨(国税庁税務署経由)もうひとつが地方への税源移譲に伴うお知らせ(総務省自治体経由)です。それらが、同時期ぐらいに別々のところから、ワサワサ送られてきているようで、お年寄りを含めた一般納税者の方などが混乱しないかチョット心配です。

すこし整理すると
(電子申告の勧奨)
このブログでも何回か紹介していますが、インターネットを使って、申告書の内容をデジタルデータで送ることができる仕組みです。
これをするためには、市役所で住基カードを取得し※、税務署に電子申告開始届を送ります。そうすると税務署からIDとパスワードを書いた書類が送られてきます。
 そのうえで、住基カードを読むためのICカードリーダを接続し、国税庁から専用ソフトをパソコンにダウンロードして、その上で、申告データを入力し、IDとパスワードを使って税務署にデジタルデータをインターネット経由で送付することで、申告をすることができます。
http://www.e-tax.nta.go.jp/

これと混乱しやすいのが、国税庁ホームページで行っている確定申告書作成サービスです。
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/kakutei.htm
これは、WEB上で提供されているもので、所定の数字を入れると、税額を自動計算してくれるものです。出てきたホームページをそのままプリンターで打ち出すことで申告書を作成することができます。
このサービスは、電子申告と連動しているようですが、基本的には電子申告とは別物です。打ち出した申告書は税務署にもっていくか、郵送して受付てもらってもかまいません。
http://www.e-tax.nta.go.jp/sakusei/index.html


※顧問税理士がいる方は、平成19年以降、住基カードを取ったりICカードリーダーを購入しなくても、税理士さんのカードとICカードリーダーをつかって電子申告することが可能になりました。

(地方への税源移譲に伴うお知らせ)
 こちらは、三位一体の改革にともなう、国から地方への税源移譲にともなうものです。この結果平成19年1月より月々給与や年金から天引きされている源泉所得税が少なくなっています。その反面19年6月から徴収される地方税が多くなります。最近よく新聞広告や回覧板に掲載されています。「一時的に税金が減ったり増えたりしますが、総額では変りませんよ!」ということを国民、住民に訴えているキャンペーンの一つにすぎないのですが、なぜか今年(平成18年分)の確定申告のやり方が変ったようにも見えてしまいます。


これらの情報がいっぺんに納税者の方に届いているので、中には混乱している人もいるようです。(私たち専門家は、その経緯を知っているので何とか理解できますが、普段税金に縁のない人には唐突な話が多いかもしれません)
もっとキッチリと整理して説明してあげれればよいと思うのですが、、、、、



2007年01月14日(Sun)▲ページの先頭へ
簿記3級を勉強した人の確定申告書作成講座 その4
3、所得税の計算

(国税局説明資料)
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/tebiki/h18/pdf/01b.pdf

青色申告決算書が出来れば、あとは、確定申告書の作成だけです。
所得税の納付金額は次の算式で計算します(確定申告書はこの計算プロセスを書いているだけです)。

(1)所得税の金額=(所得の金額−所得控除)×所得税率−税額控除
(2)所得税の納付金額=所得税の金額−源泉所得税や予定納税など先に納税している額


所得は、事業、不動産、農業、給与、一時、雑、譲渡など数種類に分類されます。商売をやられている方は、事業所得の欄に、収入(売上金額)と所得(青色申告控除後の所得金額)を記載します。

所得控除は、所得税率を乗ずる前に控除できる金額です。※
人的控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除など)とそれ以外(医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除など)があります。

税額控除は、所得税率を乗じた金額から控除できるものです。配当控除、住宅取得特別控除などがあります。※

以上で、所得税の金額が決まりますので、あとは、事前に納付している源泉所得税(代金を受け取るときに天引きされる所得税)や予定納税(前期の所得税納付額を基準に、事前に納付しておく金額)を差し引き、確定申告時の所得税の納付金額を算出します(ここがマイナスになった場合は還付になります)


※所得控除、税額控除、所得税率の金額はすべて所得税法で決まっており、説明資料に書いてあります。税制改正で金額等は毎年変わる可能性がありますので、注意してください。

※国税局が所得税確定申告書作成システムをWEB上で提供しています。これを利用するのもよいかもしれません。ここで入力して出た結果をそのままプリントアウトしても正規の所得税の申告書として通用します(消費税の申告書作成システムもあります)。

http://www.nta.go.jp/category/kakutei/kakutei.htm



2007年01月13日(Sat)▲ページの先頭へ
簿記3級を勉強した人の確定申告書作成講座 その3
(2)家計と事業の共通費
 家計と事業を区別しようとしても、出来ないケースがあります。
たとえば、電気・ガス、電話代などを事業と家計の両方で使っているケース、自宅の一部を事務所、店舗に使っているケース。
そうしたときは、利用割合(面積割合、利用実績、等合理的な基準による)によって按分します。

例えば、

家計のお金から家賃を払い、事業と家計の利用割合が6対4の場合
(借)地代家賃 60    (貸)事業主借 60    

逆にその負担を事業のお金から払った場合は
(借)地代家賃 60    (貸)現金預金 60    
(借)事業主貸 40
となります。


(3)減価償却費の計算
 簿記3級では、減価償却費は、償却方法(定率法、定額法)、耐用年数や残存価額は問題文で与えられました。実務では、税法で決まっています。
個人事業の場合届出がなければ定額法で計算します。残存価額は、取得価額の10%(償却計算は原則的に取得価額の5%になるまで可能)、耐用年数は耐用年数表を使います。

中古資産の場合は、(耐用年数−経過年数)+耐用年数の20% が耐用年数になります(明細書備考にその旨注記)。

減価償却を行う資産は、青色申告決算書の3ページ目に明細書を作成します。

仕訳は、事業専用の償却資産(事例では自動車)の場合は
(借)減価償却費 100    (貸)車両運搬具 100    

事業と家計の共有の資産の場合は
(家計、事業割合 3対7)
(借)減価償却費 70     (貸)車両運搬具 100    
(借)事業主貸  30


(4)専従者給与
身内に支払う給与ですが、個人事業では、経費にするためには事前に誰にいくら払うか税務署に届出が必要です。
 他従業員への給与(給与賃金)とは、区別した科目を使って集計しておく方が良いでしょう。

(5)青色申告特別控除
 これは経費では有りません。青色申告をすることへの特別のご褒美みたいなもので(特別控除)で、損益計算書の一番最後に金額を記載します。
複式簿記が出来ていれば65万円、できなければ10万円まで控除できます。



2007年01月12日(Fri)▲ページの先頭へ
簿記3級を勉強した人の確定申告書作成講座 その2
2、簿記3級で教わったことと実務の違い

簿記3級を勉強していたら基本的に青色決算書のほとんどを作成できるはずです。教わっていないところといえば、ほんの少し、以下の点だけです。
(1)事業主勘定と元入金
(2)家計と事業の共通費
(3)減価償却費の計算
(4)専従者給与
(5)青色申告特別控除
今回は、これらのポイントについて説明します。

(1)事業主勘定と元入金
<基本的な考え方>
 個人事業者が初めて帳簿をつけていって、最初につまづくのが事業主勘定(事業主貸勘定、事業主借勘定)です(簿記3級の勉強では出てきませんね)。
個人事業者の実務簿記のもっとも大切なポイントは、家計のお金と事業のお金をキチンと区別するということです。事業主勘定とは、家計のお金と事業のお金を調整してくれる勘定科目です。
たとえば、家計のお金を事業のお金に回すことがあります。このときは、つぎのような仕訳をします。
(借)現金預金 ×××    (貸)事業主借 ×××
事業の側から見たら家計から借りているから事業主借勘定をつかいます。
(事業をスタートさせたとき、通常何らかの事業用資金が必要でしょうから、商売用の通帳をつくって、預け入れ、この仕訳をされたら、やりやすいと思います)

 逆に、商売で増やした事業のお金の一部を生活費として家計に渡すことがあります。このときは
(借)事業主貸 ×××    (貸)現金預金 ×××
事業の側から見たら家計に貸しているみたいなものですから事業主貸勘定をつかいます。

<応用>
この事業主勘定ですが、事業と家計の調整項目として便利に使うことが出来ます。
たとえば、所得税や市民税、県民税の支払いを事業用の資金から支払うことがあります。簿記3級の勉強ですと
(借)租税公課 ×××    (貸)現金預金 ×××
となるのでしょうが、所得税や市民税、県民税は、必要経費になりません(家計が負担すべき税金と考えてください)。
したがって、事業が家計の税金を立て替えたと考えて
(借)事業主貸 ×××    (貸)現金預金 ×××
の仕訳をしておいてください。

(注意 県税事務所から送られてくる事業税や自動車税、事業用資産の固定資産税、印紙税などは経費になりますので
(借)租税公課 ×××    (貸)現金預金 ×××
でOKです)

また、デザイナーや保険外交員、弁護士、医師などは、もらえる報酬の一部が源泉徴収されます。(事例では、1000円の売上で100円源泉)このときも、事業主勘定をつかって
(借)現金預金 900    (貸)売上  1000
(借)事業主貸 100    
と仕訳しておき、事業用のお金と切り離しておくと便利です。あとの所得税額の計算は、決算書ではなく申告書の中で行います。

<繰越>
最後の一年間の業績を集計すると、貸借対照表に事業主貸勘定、事業主借勘定が残ります。「事業主借勘定 +青色申告特別控除前の所得金額 −事業主貸勘定」を翌年の元入金(簿記3級でならった資本金みたいなもの)として、翌年度に繰り越します。

翌年度元入金=元入金+事業主借勘定+青色申告特別控除前の所得金額−事業主貸勘定




2007年01月11日(Thu)▲ページの先頭へ
簿記3級を勉強した人の確定申告書作成講座 その1
 会社を辞めて個人事業を始めた人の中には、「学生時代に簿記は習ったんですけど、、、」とか「家内が商業高校で簿記を勉強してたらしいのですが、、」と言われる方も結構いらっしゃいます。

簿記は、経理の基本ですから、簿記の基本(日商簿記3級程度)を知っているということは、青色申告決算書の作成、所得税確定申告書の作成ができるようになるまで、あと少しのレベルまで達しているといえます。

今回はそうした人に対する、所得税確定申告書を作成するための、ミニ講座(4回程度)をやろうとおもいます(平成18年分を基準に説明します)。

1、ゴールの確認
個人事業を行う方は、所得税の申告を行うために次のものを作る必要があります。
(1)帳簿
(2)青色申告決算書
(3)所得税確定申告書

(1)から順に作っていきます。

まずは、(1)帳簿ですが、これは簿記3級の勉強をしていたら絶対できるはずです。要するに日々の仕訳を行うことです。
 簿記3級で習ったように、ノートに仕訳を書いて、元帳に転記する人もいますが、実務上は、パソコン会計ソフトをつかって、仕訳帳や振替伝票に入力し、後の元帳や試算表への転記集計も会計ソフトに任せてしまう人が大半です。※


次に、(2)青色申告決算書ですが、次のようなものです。
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/youshiki/pdf/13.pdf
1ページ目が、損益計算書、4ページ目が貸借対照表となっています。(これも簿記で勉強しましたね)あとは、2ページ目、3ページ目が売上仕入経費などの主要項目の明細、それと減価償却資産の明細になっています。

最後が、(3)所得税確定申告書です。次のサイトが書式となります。
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/youshiki/pdf/03.pdf
第1表と第2表から構成されていて、1表が計算内容、2表がその内訳と思ってくだされば結構です。
 A様式とB様式がありますが、事業所得者は通常このB様式を使います。
B様式の所得税確定申告書の書き方の説明書は
http://www.nta.go.jp/category/kakutei/tebiki/h18/pdf/01b.pdf
にあります。


※会計ソフトは
(小野会計ショップ)
http://8005.teacup.com/onokaikei/shop
で販売しております。


2006年12月29日(Fri)▲ページの先頭へ
役員給与に関する質疑応答事例が公表されました
「役員給与に関する質疑応答事例」と「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度に関する質疑応答事例」が国税庁から公表されました。

(役員給与に関する質疑応答事例)
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5394/02.pdf

(特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度に関する質疑応答事例)
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5394/01.pdf

最近の税制改正でもっとも大きく変わった点の一つが、法人の役員給与に関する項目です。(1)役員給与の損金(≒経費)参入を特定のケースに限定し、(2)特定の条件に当てはまる会社では役員給与の一部を損金に入れられなくなりました。

この改正自体は、このブログでも何度かご紹介したように、以前からわかっていました。
http://onokaikei.noblog.net/blog/b/10222277.html
http://onokaikei.noblog.net/blog/b/10129441.html

ところが、その詳細情報がはっきりせず、税実務担当者は、「どのようなケースでOKで、どのようなケースでどの程度アウトになるのか?」まったくわからない状態が続いていました。(税務署の担当官ですら「情報がほとんどわからないので、条文の文言どおり、もっとも保守的な処理でお願いします」といっていた有様で、、)

もっとも、気になった点として、定期同額給与の中途再増額の問題がありました。

役員給与を損金に入れられるケースの一つとして、「毎月同額の給与を払うとき」というのが有ります(定期同額給与)。

例えば3月決算の会社の場合でいうと
4月と5月を毎月40万円、年一回の定時株主総会で増額して6月から月10万円を増額して(これは認められます)6月から3月まで毎月50万円づつ給与を払ったとすると、定期同額給与として年間40×2+50×10=580万円を損金に参入できます。

ところが、何かの理由で10月にもう一回再増額して10月から3月まで60万円づつ(総額640万円)払ったらこれは、定期同額給与にあたらなくなります。
では、このケースで損金に入らないのはいくらになるのか?税実務の現場では大きな問題になっていました。

一般的な感覚から言えば、10月から増額した部分(10万円×6ヶ月=60万)は、損金には入らないが、その他の580万円の部分はルールに従った支給だから損金に入ると考えられるような気がします。ところが、「ルールに従わなかったのだから60万円はもちろん、その他の部分の含む総額640万円がすべて損金に入らないのじゃないか」という議論が真剣に議論されていました。

(もし、後者の主張が正しいとしたら、うっかり役員給与の支給金額を間違えたりしたら、結果的にとんでもない税負担を強いられることになります。)

今回の質疑応答集で、上のケースでは、増額した10万円×6ヶ月=60万円部分のみが損金に参入できないだけで、その他の580万円は損金参入できることが、やっとハッキリしました。どちにせよ、現場が混乱するので、こうした情報は、もう少し早く公表できなのでしょうかねえ??

(まだ他の部分で、ハッキリしない部分も多く、これについては、実務の状況を見て通達を”後出し”されるのかもしれません)


2006年12月26日(Tue)▲ページの先頭へ
税金の計算と経営管理
 経理というのは、何故必要なのでしょうか?

「税金の申告をするために決算書をつくらないといけないから」と思っている人も少なくありません。

たしかに、それも一つの理由だと思います。

しかし、そうした理由だけで経理を行っている方は、往々にして、年度末近くになってあわてて12か月分をまとめて記帳し、「うわっ!こんなに儲かってたのか?税金がどうなるか心配だ!」となったり、「悪い悪いとはおもってたけど、こんなに悪かったんだ!何とかしないと」となったりします(こんな経理でも税金の計算は一応できてしまいます)。

もちろん、そうした方でも、商売をしていく限り、いろんな経営問題に直面します。
「あたらしく雇い入れたい人がいるのだが、うちの会社では、新しい人を雇い入れしても十分やっていけるのだろうか?」とか「設備投資を考えているのだが、資金的にどの程度までなら可能なのだろうか。」「売上が落ち込んできたがどの程度までの落ち込みなら、現状の経営を維持できるのか」など、、、
数字的な裏づけがないのでとても不安なのですが、「えーい!何とかなるだろう」と結局ヤマカンで、経営していくことになります。

経理をする、もう一つの大きな理由は、「自社の経営を数字で管理していくこと」にあります。
そのためには、月々の業績を押さえていくことがまずは大切です(月次決算)。

ただ、月次決算はあくまで、経営を数字で管理していくための第一歩に過ぎません。ただ漫然と月次決算をしても、それは、税金の申告のための決算作業を12分の一づつ進めているだけに過ぎません。

会計上の業績が良くても資金が足らなくなる(黒字倒産)こともありますから、資金が順調に回転していけるか(運転資金の残高と資金繰り収支の管理)をおさえることも必要です。
また、在庫が適正水準にあり過剰(余剰在庫)になったり、過小(販売のチャンスを失う)になったりしていないかも見ておく必要があります。

また、税理士や会計士などの専門家とは、税金面だけでなく、そうした数字をベースにした議論をし、いろんな知恵を借りれるようにしておくのが、上手な付き合い方です。





2006年12月12日(Tue)▲ページの先頭へ
税金還付金詐欺に注意
 最近、国税局をかたった還付金詐欺の被害が増えているそうです。
「税金の還付金がある」という連絡があり、「手続きしないと権利を失う」といわれて、電話をするとテープの声で、「・・・・至急コンビニのATMで手続きしてください・・・」と言葉巧みにATMに誘導されます。ATMの前で指示どおり操作すると、知らず知らずのうちに、指定された口座にお金を振り込んでしまう結果になってしまうそうです。

 税務署や国税局の指示で、ATM前で操作させるようなことは絶対にありえません。

 こんな単純で横着な詐欺に、引っかからないと思っているかもしれませんが、(身近に相談する人が居ない)高齢者やターゲットリストの人(過去に振り込め詐欺に有った人)は、意外と言葉巧みに誘導されてしまいます。

 類似の手口としては、法務局類似の名前をかたる者、「家賃の振込先が変わった」との偽通知を賃貸住宅のポスト入れる者、スパムメールタイプのものなど、無限にあります。

 対策は、徹底的に無視することです。電話連絡なども絶対にしてはいけません。

 くれぐれもご注意ください。


2006年12月08日(Fri)▲ページの先頭へ
外貨建商品と手数料
 外貨預金の広告などを見てみると
ものすごい高利の利息が書いてあって「うわー!すごいなあ」と思ってしまいます。日本の場合、100万円預けても年間数円十数円にしかならず。下手をすると手数料で赤字になってしまうのと比較すると、、
「外貨預金5%でも年間5万円か〜!」と思わず、ため息が出てしまいます。

ところが、この外貨預金、気をつけないとえらいことになります。

外貨預金の場合、為替変動のリスクがあります。逆目がでると、金利など吹っ飛んでしまう可能性もあります。
また、外貨建商品はめちゃめちゃ手数料が高いので、儲かったと思っても現金を手にすると「あれー?」ということになりがちです。

どちらにせよ、金融商品については、自己責任で、よーく研究されてから取り組まれるほうがよろしいかと思います。汗水たらして貯めた大切なお金ですから、、、、




2006年12月06日(Wed)▲ページの先頭へ
年末調整今年の変更点
 平成18年分の年末調整の時期がやってきました。

今年の年末調整は、事務手続き上、大きな変更点はありませんが、次のような点が変わっています。

(昨年17年分では、老年者控除の廃止がありました。)

1、源泉所得税の税額表が変更になっています。
月々の源泉所得税額が変更になっていると思います。

(18年1月以降の税額表)
http://www.nta.go.jp/category/pamph/gensen/4117/01.htm


また19年1月以降の税額表もさらに変更となっています。
(19年1月以降の税額表)
http://www.nta.go.jp/category/pamph/gensen/5276/01.htm


2、定率減税が半減されています。
従来20%の定率減税→10%の定率減税(最大125000円)


※年末調整の仕方
http://www.nta.go.jp/category/nentyou/index.html?source=ntatop



2006年12月05日(Tue)▲ページの先頭へ
電子申告再論
 以前に電子申告についてご紹介したことがあります。
http://onokaikei.noblog.net/blog/2006/04/23/

 今、国税庁、国税局の最大の関心事は、「日本における電子申告をどのようにして普及させるべきか」という点にあります。

 国税庁、国税局の本来業務は、法に従った適正な納税をしてもらって、税収を確保することにあるのですが、最近の動向は、その本来業務と同じくらい「電子申告の普及」に重点を置いています。

 その理由は、
1、電子政府構想に基づく政府戦略の一環として電子申告は位置づけられており、税務行政の効率化を図るためのインフラとなる。

2、韓国、ドイツなど諸外国ではすでに電子申告の普及が進んでおり、日本だけが極端に遅れた状況にある。

2、パスポート発行システムのように失敗した行政システムの例が出てきており、国税庁、国税局は、危機感を募らせている。

以上3点にあります。


その為、前回でもお話したような電子申告推進のさまざまなネックについて、(行政にしては珍しく)大鉈を振るうつもりのようで、(それぐらい推進に力を入れているということです)、税理士の業界も大きくそれに左右されています。

※電子申告が通常のソフトのように簡単で、利便性が高ければ、普及する可能性は高いと思います。ただし、電子申告の場合はかなり高いセキュリティーを求められますので、そのことが、電子申告の簡単さを大きく制限しています。また、利便性も申告納税の世界だけであれば簡単なのですが、金融等においても申告納税データは利用されていますので、その点の普及に遅れを感じています。



2006年11月27日(Mon)▲ページの先頭へ
会計士・税理士の仕事は無くなるのか?
 先日、スカパーでやっている大前研一氏の情報番組を見ていると、九州の会計事務所に勤めておられる方の質問を取り上げておられました。
その質問者の質問内容は、「私は、今、税理士を目指して勉強中ですが、税理士の仕事は今後どうなるのでしょうか?」というものでした。

 その回答として大前研一氏は、「はっきりいって、会計士・税理士の仕事は減ります!」とズバッと回答されておられました。
 その理由として、
1、会計士・税理士の仕事は、会計ソフト、申告ソフト、インターネットを通じた電子商取引(電子決済・電子申告)に置き換えられてしまう。

2、したがって、会計士・税理士の仕事の絶対量は減る。(高度な専門知識を要するもの以外の仕事はなくなる)

3、ただ、欧米では、申告を直接電子政府とするだけでなく、相当程度代理人(税理士)を通じて電子申告などを行っている部分もあるので、政府(OR社会)が、その存在意義をどこまで残すかが、生き残るかどうかのポイントとなっている(そのため、猛烈なロビー活動が行われているとのこと)。

 面白い話だと聞いていました。
http://caspeee.jp/channels/ohmae/X0o6sRQf00/
 おそらく、税理士会なり、会計士会なりの意見としては、自らの仕事の存在意義というものを、強く主張されることと思いますが、私自身としては、大前氏の意見が大きなトレンドとしては当たっているのだろうと思います(cfロジカルシンキング)。

 ですので、これから税理士や会計士を目指される方は、よく考えられたほうがよいと思います。もちろん、単純に「仕事が減る→しんどい、食えない→やめとこう」と思わないほうがよいです。むしろこれから変化の起きる業界なので、新たなビジネスチャンスがある業界ともいえるでしょう。
 とくに、高度な専門知識、情報技術のある人、には、チャンスの多い業界だと感じています。旧来型の税理士、会計士ではなくて、新しいタイプの専門家(エキスパート)としてなら、十分面白い業界であるとも思うのですが、、、、



2006年11月17日(Fri)▲ページの先頭へ
これからの税制
 先日、政府税制調査会の方のお話を聞く機会がありました。もちろん、立場上、「今後の税制はこうなる!」といった具体的な話は差し控えておられましたが、、、、

お話された内容で、もっとも興味を引いたのが次の3点でした。

1、日本経済は回復局面にあるとの認識。

2、かつてのような、公共投資を景気調整策として使うことはしない。

3、市場化テストを通じて、民間でできることをあえて公的部門にとどめることはしない。

 一部のエコノミストが、「日本経済は回復しているが、その恩恵を受けているのは都市部の大企業であり、地方の中小企業では、まだまだ冬の時代に、、、」といっています。ところが、今回の話では「地方の中小企業ではまだまだといわれているが、強弱の差こそあれ、全体には、回復局面にある、、、」と逆の言い回しになっていたのが興味深いところです。

 また、公共投資で、景気拡大を図るのではなく、むしろ、税金を投入したり、規制をかけたりするところを、政府の本質的な部分に限定して、それ以外のところは(聖域をつくらず)民間に開放していくということを言っているのだと私は理解しました。

 日本の税制は、政府税調だけが決めるのではなく、財務省などの行政機関、与党税調、各種のパワーゲームの中で決まるので、政府税調の意向だけで判断することは出来ませんが、、、少なくとも、今後数年間の税制の進む方向性の一部を示唆するものだと考えています。



2006年11月16日(Thu)▲ページの先頭へ
意思表示について
 私法(民法・商法)の世界においては、「契約自由の原則」というものがあります。

通常、契約といえば、文書によるもの(「不動産売買契約書」といったもの)をイメージされますが、必ずしもそれがないと契約が成立しないというものではありません。
口頭で行う「○○を買って下さい」「○○を売ってください」という意思表示だけで契約は成立します。(日常生活でおこなう、売買契約のほとんどは、これ)
最近では、Web上での注文や通販などのようにFAXによる意思表示も増えてきました。

ただ、この契約を行うという行為は、細かく分析すると結構難しい問題がいろいろあります。

まず、権利能力、意思能力、行為能力があるかどうかが問題になります。
オウムが「この商品をください」といったからといって、意思表示にはなりません。

能力があったとしても、次に意思表示が客観的に成り立つかが問題になります。
殺人契約「××を殺してください」というような意思表示が認められるのか(公序良俗 民法90条)また「火星の土地を売りましょう」といったことも可能なのか(実現可能性)といった問題があります。

次に、一応外形的に妥当な意思表示をしたからといって、正しい(瑕疵のない)意思表示とは限りません。

本人が買う気もないのに「買います」といったら心裡留保(民法93条)になります。
本人が「Aを買います」というつもりだったのに誤って「Bを買います」といってしまったら錯誤(民法95条)が考えられます。
また「買います」といっても詐欺や強迫で言わされたのなら詐欺強迫という問題が発生します。(民法96条)


こうした要件をクリアーして、やっと有効な契約が成立したとしても、その契約にはいろんな条件や期限がついているケースも有りますし、放置しておくと時効という問題も出てきます。

単なる「これ、売りたい」、「これ買いたい」という意思表示といえども、考え出したらえらく複雑なものです。



2006年11月13日(Mon)▲ページの先頭へ
担税力概念の不思議
 税制を議論するときに、守るべき原則として「公平な課税であるべき」ということと「担税力(税負担に耐えうる)に応じた課税であるべき」ということが言われます。

 「公平」ということについては、割と納得しやすいです。
 たとえば、おなじように儲けて同じような状況にあるのに、ある人は重税が課されて、ある人は無税になっていたりすると、「おかしい!」というのは直感的にでも理解できます。

ところが、もう一方の「担税力」という概念は、いまいち理解できません。税制の議論ではよく出てくる言葉ですが、何を表しているのか、分かりやすそうで、分かりにくい概念です。

たとえば、所得税、法人税などは、一年間の儲けの大きさ(フロー)に応じて課税されています。また相続税や固定資産税などは、ある時点での保有資産(ストック)の多寡に応じて課税されています。
 儲けや資産というのは、担税力があるのだといわれれば、「そうかなあ」という気にもなります。

ところが、現実には、次のようなことがありえます。

 たとえば、一生懸命がんばって1年間で100万円儲けたとします。ところが、その入金が3ヵ月後だとすると、手元には一銭もお金がありません。ところが、法人税は決算後2月、個人でも2ヶ月半後に原則申告して納税しなければいけませんから、納税資金がなければ一時的に借金して税金を支払うことになってしまいます。借金してまで払わなければいけないのに、これで担税力があるといえるのでしょうか。

また、相続や固定資産税でも、手持ちの資産がすぐお金に変えれれば、そこから払えばいいのですが、通常不動産など個性の強いものは簡単にお金には変えられません。やはり、借金して税金を払うことも考えられます。

 確かに、儲けや資産は担税力を生み出す力の源泉になるとはおもいますが、担税力そのものだとは、どうしても思えません。

 私自身の勉強が足らないので、担税力概念を十分理解していないのだと思いますが、、結局、どこかの国の首相が言った「自衛隊の居てるところは非戦闘地域」みたいに、「○○税の課税されているものが担税力のあるもの」と理解しないといけないのかも知れません。

※もっと分かり易い例を挙げると、現金商売で日銭の入る商売も、手形商売など何ヶ月もたたないとお金がはいってこない商売も、かかる税額は同額になります。とても担税力が同じとは思えないのですが?


2006年11月09日(Thu)▲ページの先頭へ
環境会計 環境監査について
 会計士補から会計士になりたてのころ、勤務していた監査法人で、同世代の人を集めた全国研修会がありました。そのとき、一人の女性の会計士の方と同じテーブルになり、雑談がてら「普段どんな会社を監査しているんですが?」と聞いてみました。すると、「東京事務所で環境監査の事業部を立ち上げる仕事をしてます、、、」と意外な答えが返ってきました(当然、証取法監査や税務を期待していたので、「なにそれ?」という感じ)。

 聞くと、これからは環境というのが企業にとっても無視できない重要な課題になってくる。そして、企業の環境に対する取り組みを会計の仕組みのようにディスクローズ(公開)して企業の対内化活動、対外活動に役立てていく必要がある(環境会計※)。当然、そこには第三者による監査が必要で、、、といった話を聞きました。

 そのとき私は、「へー!面白いね。たしかに環境問題は、大切みたいですね。でも企業は他社と競争して利益を追求する組織だから、環境のような副次的なことに、それほど積極的にとりくんでくれるかなあ?」と疑問を述べたように記憶しています。(今から考えたらなんとアサハカな認識!!)

 いまでは、トヨタのハイブリッドカーを上げるまでもなく環境問題は企業にとってとても重要な経営課題です。また、環境会計をつくっている大企業もISO14000取得企業もかなり出てきています。
 そして普段取り扱っている会計というものも単に金儲けの度合いを測る道具と小さく考えるのは、極めて狭い考え方だということに、後日、気づかされました。


参考 
富士通の2005年公表環境会計
http://jp.fujitsu.com/about/csr/eco/activities/accounting/account2005-1.html

環境省 環境会計ガイドライン
http://www.env.go.jp/policy/j-hiroba/04-2.html

※環境会計とは、企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取組を効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組みです。



2006年11月08日(Wed)▲ページの先頭へ
地震保険料控除と駆け込み契約
 損害保険屋さんが結構忙しいと聞いています。

 所得税の損害保険料控除の制度が大きく変るための駆け込み需要が出ているのだそうです。
どのように変るのかというと

(18年分までの申告)
A長期損害保険契約(期間が10年以上、満期返戻金が払われる)
 上限1万5千円まで所得控除
B短期損害保険契約
 上限3千円
※AとBを合計して1万5千円まで

(19年分以降の申告)
従来の損害保険料控除が原則廃止され、
あらたに地震保険料控除が上限5万円で新設。

※ただし、18年12月末までに開始した契約で長期のものは、引き続き1万5千円の控除が受けられます。(ただし地震保険とこの特例をあわせても上限5万円まで)

おそらく、あらたに、地震保険のメリットがでてきたことによる地震保険の新規加入
と、
地震保険に入る気はないが、従来の長期損害保険料控除のメリットを享受したい人の駆け込み契約で忙しいのではないでしょうか。



2006年11月06日(Mon)▲ページの先頭へ
税務署の組織役職
 税務署の一番えらい人は、税務署長さんです。その次が副署長さんで、複数人おられます。その下に、法人、個人、資産、徴収、間接税(酒等)、総務という組織があり管理職の方が何名もおられます。
一般企業の場合ですと部長、課長、係長、主任、といった役職(最近は、CEO、マネージャー、チーフ××、シニア××と言い方もありますが)で大体上下関係がわかるのですが、税務署の場合は、そうした呼び方をされません。
統括官、上席、特別調査官、連絡調整官、審理担当官、××官、○○課長という役職があります。また、厚紙薄紙という区別があったりして、一般の人にはよくわかりません。

 詳細は説明しにくいのですが、おおよそ次のような理解でよろしいかと思います。

 まず副署長さんが法人や個人といった各部門の責任者として担当されています。その下に個人1部門、2部門・・法人1部門、2部門・・・という部門がありその部門長として統括官という人が責任者になっています。また、同じ○○×部門といっても、各部門同じ仕事(調査)をするケースもありますし、行政事務担当部門、資料収集事務担当部門など違う仕事をしていることもあります。

統括官の下には、部門のメンバーがおり、その中で上席と調査官がおられます。(だいたいココまでが経営学で言うところのライン)

また、××官というのは、こうしたラインとは別の特別の仕事をする役職の人です。

税務署長
→副署長(法人)
・・・・・
→副署長(資産)
・・・・・
→副署長(個人)
  →個人1部門統括官
  →個人2部門統括官
     →上席、調査官、、、、
  →個人3部門統括官
     →上席、調査官、、、、

(その他××官)

(参考)
http://www.nichizei.or.jp/zpo/miura/15.html




2006年10月27日(Fri)▲ページの先頭へ
地方自治体の包括外部監査人
 最近地方自治体の不祥事が次々と明らかになって来ています。
税金を払う身になれば、そうした事実を聞くとたまらない気持ちになります。(われわれでも、税金の申告書にハンコをもらうときにも、チクリといやみを言われます。)

こうした税金の無駄使い、不適切な活動を、監視するための制度として議会以外に地方自治体には監査委員会(国レベルでいえば会計検査院)というものがあります。ところがこの監査委員会というのは、事実上名誉職であったり、身内が身内を監査するという実情になっていて、効果が疑問視されていました。
そこで、平成9年ごろから、都道府県や政令指定都市では、地方自治体の外部監査という制度を導入しています。

外部監査人には、弁護士、公認会計士、税理士などが就任しており、毎年監査テーマを選定して監査を行っています(補助金、水道など具体的なテーマを絞らないと、全活動の監査などは事実上無理)。その成果は監査報告という形で公にされています。

ただ、監査をやられたかたに聞くと、公会計という特殊な会計制度、さまざまな旧態依然とした組織体質に直面し、普段見ている民間企業経営との違いに驚かれる事が多いそうです。

地方自治体の外部監査の報告は各自治体のHPでも公開されており、市民オンブズマンによる評定もされています。

大阪府包括外部監査概要
http://www.pref.osaka.jp/kansa/gaibu/16gaibug.html

奈良県包括外部監査概要
http://www.pref.nara.jp/kansa/gaibu.htm

市民オンブズマン評定
http://www.jkcc.gr.jp/data/00004_1.html


2006年10月26日(Thu)▲ページの先頭へ
性差と税法
 日本国憲法14条で
すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、社会的又は社会的関係において、差別されない
と規定されています。

その唯一の例外が、天皇制で皇室典範には、男系男子という条件が定められているのだと昔憲法の先生に習いました。

ところで、税法(所得税)では、全く性別による差はないのでしょうか。。。

原則としては男性であろうが女性であろうが扱いに差異はありません。
ただ、一箇所寡婦寡夫控除の部分で次のような差があります。

寡婦に該当する場合所得税では条件に当てはまれば寡婦控除(特定寡婦控除)が受けられます。
http://www.taxanswer.nta.go.jp/1170.htm

ところが男性版である寡夫の場合
http://www.taxanser.nta.go.jp/1172.htm
という条件になります。
両者の差を見てください。
夫の方が厳しい条件になっていることがわかります。

この差を、差別とみるか、現実の社会状況に配慮した弱者救済とみるか判断が分かれると思いますが、、、、少なくとも男性と女性の扱いの差は天皇制だけではなさそうです。

※つい最近まで地方税で均等割課税のかかっている夫が居る人(女性)は、均等割課税を非課税にする制度がありましたが、現在は廃止されています。



2006年10月25日(Wed)▲ページの先頭へ
学校法人会計
 前職のときに何校かの学校法人の会計の仕事をしておりました。
幼稚園から大学まで学校法人には様々あるのですが、企業会計とはいささかスタンスの違う会計制度なので、今回はこれについてお話します。

(学校法人の経営スタイル)
 学校法人は、一般企業のように利益を目的としません。したがって、法人税のように儲けに対する課税は原則ありません(収益事業により発生した利益や源泉所得税・印紙税などは別)。
 儲けることよりむしろ、安定した経営が求められ、設備や人的物的経営資源を維持するということが、財務面の主たる目的となります。
 また、授業料や入学金など独自の財源だけでなく、国、地方公共団体からの多額の補助金で運営されているのが実体です。
 もちろん、各学校法人では、子どもの教育の為、特徴のある独自の理念をもった運営がなされています。

(学校法人会計の特徴)
 上記のような経営スタイルですので、独自の会計制度を持っています。
学校法人の設備等を安定的に維持できていけるか(収支バランスが取れているか)ということを中心に組み立てられた会計で、貸借対照表のほかに消費収支計算書・資本収支計算書という財務諸表が作成されます。

また、予算制度も必要ですし、会計士等による外部監査も必要です。

http://www.pref.osaka.jp/shigaku/zaimu/kaikei.htm
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46F03501000018.html


(学校法人の今後の課題)
 現在の学校法人の抱える経営上の問題は、少子化です。学生が集まらないと授業料や補助金なども少なくなりますし、人的物的設備の維持もままなりません。教職員のリストラや時間外保育、社会人教育などで、しのいでいる所もありますが、それも限度があります。第一教育の質を落としては意味がありません。
 特に、中堅以下の地方の学校法人の経営は大変で、学生集めに必死です。(電車内に私学の学生募集ポスターが張りまくられているのがその事実を表しています)。

http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2005/06/20/news_day/f5.html




2006年10月16日(Mon)▲ページの先頭へ
退職金の税金
日本経済の大きな問題として、団塊の世代の定年退職という問題があります。
実は、この膨大な退職金を狙ったいろんなビジネスがあるようなんですが、ここでは、退職金に関する税金についてお話します(平成18年10月現在の税制による)。


退職金についての税金は、通常の給与とは別扱いされ、優遇された扱いになっています(一般的な例)。

退職所得の金額は
=(退職金の収入金額−退職所得控除額※)×50%
となります。

退職所得に関する所得税額は
=退職所得の金額×所得税率

退職所得に関する住民税額
=退職所得の金額×個人住民税の所得割の税率

たとえば、勤続25年の方が1800万円の退職金をもらい18年9月に定年退職した場合は
退職所得=(1800−(800+(25年−20年)×70))×50%=325万円
所得税額=325万円×10%=32.5万円(退職金より天引き(源泉徴収))
住民税額=325万円×10%−10万円=22.5万円
(ただし、18年分の退職金では、10分の1控除を取り入れた税額表によるため実際の納付額は
22.5万円×(1−0.1)=20.25万円(退職金より天引き(特別徴収))となります。

なお、所得税の源泉徴収額には定率減税が適用されていませんので、この適用を受ける場合は確定申告が必要です。
また、退職金以外所得がない場合なども、所得税法上の基礎控除等の適用を受けるために確定申告できるケースもあります。

※退職所得控除額は
勤続20年以下では、勤続年数×40万円
勤続20年超では、800万円+(勤続年数−20年)×70万円
となります。


2006年10月06日(Fri)▲ページの先頭へ
おかしな言葉
 税理士をしていると、「職域防衛」という業界用語によく出会います。

 一般の人には、なじみが無いと思いますが、どうやら税理士の職域(税務代理、申告書作成、記帳代行等)に税理士資格のない人(ニセ税理士、他士業、企業等)が入ってきて、職域を荒らすのを防止しようという考えのようです。

 私は、税理士としての経験が浅いため、その深い意味まではよくわかっていませんが、「職域防衛」という言葉に出会うと、いつも若干の違和感を覚えます。

 たとえば、一般の人に身近な、専門家である、医者と教師について考えてみましょう。

 お医者さんの場合、専門的な教育と、研修医などの経験を経て、命をあずれられるお医者さんになっていきます。もし、にせ医者がいれば、厳しく取り締まられています。

 また、教師の場合は、どうでしょうか。教師も専門教育と経験を経て教壇に立ちます。ただ、医師の場合と違って、資格がなくても、生徒を教えることは可能ですし、場合によっては(受験指導など)教師以上の能力・魅力のある無資格者が多くおられます。

 税理士の場合は、どちらに近いのでしょうか?

 いずれにせよ、税理士は、税務、会計等の専門知識、経験、指導力、高い見識倫理観、組織(こうしたことを総称してプロフェッションという言い方をします)で、他者を圧倒すべきであり、その結果として、「税務申告や経理の指導はやっぱり、税理士さんでないとだめだね!」と認知されるべきだと思います。(あくまで自由競争をベースに考えて、それを社会的信頼性の観点から補完するのが資格制度であるはずです。)

 「職域防衛」という事だけを声高らかにうたわれると、「何か違うんだけど!」と思わせます。

※ちなみに、システム屋の視点から見ると、資格をとったということは「勉強熱心なんだね!」ということ以上の評価はありません。こちらは(理念やコンセプトを売りにするコンサルタントは別ですが)「使えるものをつくってなんぼ」の世界です。


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